★団体紹介★

 《かんユニを立ち上げた経緯について》

・私たち関西学生アルバイトユニオンは、関西最大の日雇い労働者の町、釜ヶ崎の炊き出し支援で知り合った関西の学生が中心となって、2015年2月15日に結成しました。

結成のきっかけとなった、当時の共同代表を務めていた関西大学の学生は、行くところ行くところのバイト先で、様々な労働環境の問題を経験していました。

時給が最低賃金を下回っている書店では9時間働いても割り増し賃金が付かず休憩もなかったり、出前のバイト先では「原付バイクで60キロ以上だせ!」《*原付の法定速度は30キロ》と配達が遅れることを叱責されたりしました。

そこで、「こんな経験をしているのは自分だけなのか?」ということを知るために、大学生のバイト状況やバイト先の労働環境について、学生を対象に大学でアンケートを取り、後に結成のメンバーとなる友人たちと一緒にその結果を分析しました。

すると、「賃金がちゃんと支払われていない」「バイトが休めなくて学業に支障がでている」「パワハラの被害にあったことがある(あっている)」など多くのバイト先の労働環境に問題があることが分かりました。

また、アンケートで印象的だったのは「おかしいとは思うが、仕事だから仕方がないことだと思う」「不満はあるけど楽しいから、言わない」などの意見も多いことでした。

その時、他の大学で塾を不当解雇されたが、組合に相談して団体交渉をした結果、和解金を勝ち取ったという話を聞き、「学生たちで自身の労働環境について話あえる場所を作り、自分自身が学びながら社会をより良いものへ変えていこう!」ということになり、

賛同したメンバー共に学生ユニオンを立ち上げました。

 

《ブラックバイトが生まれる背景》

・ブラックバイトが生まれる背景としては、労働法に代表される労働者の権利が学生に余り知られていないということがあると思います。そのため、「おかしい」感じることがあっても、何がどうおかしいのかということが、端的に「悪い人(店長・上司)」に当たったせいと、人格的な問題へと滑り落ちてしまいがちです。それがひっくり返って、自分がこの環境に馴染めないのは自分の能力が足りないせいだ、と自己責任論に陥ってしまうまでは少しの距離しかありません。労働者の権利・労働法は、私たちが働き先(バイト先)に店の利益を上げるために買われる(時給で働かされる)商品であっても、人間として生きており、互いに尊重されるべき人格である以上、最低限守られなくてはならないルールを定めたものです。それを知ることが現状のおかしさに気が付く一歩だと考えています。

二つ目としては、学費が高いため、親の仕送りや奨学金だけでは、学生生活が成り立たないという現状があります。近年、奨学金が返せない!ということが大きな社会問題となっていますが、奨学金を借りなくてはいけない背景には、高額な学費があります。

先にあげたバイトアンケートで「ほぼバイトばかりしていて何のために大学に入ったのかわからなくなった」と印象的な意見もありました。

 学費のためにバイトや奨学金という借金をしないと大学に通えないという現状のままでは、「大学は学業に専念できる環境」ということが担保出来ません。

 私たちは、そのような現状についても変えていきたいと思っています。

 

《かんユニが目指すもの》

 「学生アルバイト」といういつかは大学を卒業していってしまう方を対象としているユニオンですので、組合員・メンバーの流動性がかなり高いです。

 そんな中で、かんユニが目指すこととして、1つ目としては、組合員に卒業後にフルタイムで働き始める前に「反ブラックバイト耐性」をつけて欲しいということです。

 先ほども述べさせていただきましたが、バイト先の違法な労働環境を当たり前のこととして受け止めてしまうと、卒業後の就職先が「ブラック企業」でも、それの「おかしさ」に気がつかず、自分が選んだ就職先だから仕方がない、と思い使用者からの不当な扱いにも何も言わずに耐えてしまうということが生じてしまいます。

 そのような事に陥らないためにも、学生アルバイトの段階で、労働の問題について考え、また、実際に声を上げて部分的にでも労働環境を変えていく経験を学生の段階ですることが、重要と考えています。

 2つ目としては、バイトをしている・していないに関わらず、私たちが「働かされる」社会について知り、「しんどい自慢」に陥ってしまわないことに気が付いて欲しいということです。

「しんどい自慢」という言葉は、「ブラックバイト」という言葉の提唱者の大内裕和教授が講演の際につかっていたもので、バイトをしている学生たちは「連勤自慢」「掛け持ち自慢」「睡眠不足自慢」と言った、自身の労働環境の「しんどさ」を自分のアイデンティティのように自慢することが話題の中心となってしまっていて、そのしんどさを生み出す環境を変えようという方向にはならない事態を指したものです。

 「しんどい自慢」が職場ではびこってしまうと、「周りが頑張っているから自分もがんばらないと」と言った思いになり、長時間労働やサービス残業が「みんなやっているから当たり前」になってしまいます。それが、近年再び問題となっている「過労死」「過労自死」を生み出す背景にあると私たちは考えています。

 職場での「しんどさ」は、自分だけでなく、周りの人も抱えているかもしれない。

でも、一人で「おかしい」と声をあげることはむずかしく、みんなに迷惑が掛かるから、結果として、しんどさを耐えてしまうことになる、そのような状況を変えるために、一緒に働く仲間と共に、「何でそんなことになっているのか?」「しんどい状況に置かれているのは何でか?」「どうやったら変えられるのか?」を互いに話し合い一緒に変えていくこと。

 かんユニが、このような気づきや実践の経験ができる場として機能できればと思っております。

★Profile★

私たちは、学生であることを尊重しない「ブラックバイト」や、その温床となっている「日本学生支援機構」の奨学金などの問題に関する相談や講演活動に取り組んでいます。

 

NAME 関西学生アルバイトユニオン(かんユニ)

MEMBER 京都大、関西大、同志社大、大阪市立大、大阪大などの大学生が中心(学生でなくても相談・加入できます)

ACTIVITIES バイト・奨学金に関する相談受付、勉強会(かんユニゼミ)、出前授業など

MEMBERSHIP FEES 入会金無料、組合費200円/月

MAIL uniuni.kanuni@gmail.com(相談フォームは下にあります)

Twitter uniuni_kanuni(公式アカウント)

       shogaku_arbeit(事務局長の豆知識bot)

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